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笹幸恵
2019.7.27 19:15皇室

読売新聞トップ記事

今朝の読売新聞、一面トップにこんな見出しが躍った。

「皇位継承順位 維持へ」

政府は現在の皇位継承順位を変更しないことを前提として、
今秋にも有識者会議などを設けるという。

他の新聞は報じていないから、
政府が読売だけに情報を流したのだろうか。
信憑性のほどは不明。

だけどもしこれが本当なら、安倍政権は
皇室をつぶそうとしていると言っていい。
現在の皇位継承順位の変更を前提としなければ、
安定的な皇位継承など望めないからだ。

読売新聞はこう書く。

しかし、政府や国会で女性・女系天皇をめぐる議論が
本格化すれば、「愛子さまと悠仁さまのどちらに
天皇に即位していただきたいかという論争に
なりかねず、国論を二分する可能性もある」(政府高官)


この政府高官、勝手に国論を二分するなどと、
起きてもいない世論の分裂を危惧しているが、
すでに国民の8割は愛子さまが天皇になることを
支持している。
また、国論を二分するからという理由で現状維持を
選択するなら、そもそも政治家なんか必要ない。
国論を二分するような重大な事項を議論するのが
政治家の役割ではないか。
この政府高官、大丈夫か???

ちなみに政治部の傍田光路という記者は、
次のように補足している。

政府が皇位継承順位を変えないことにしたのは、
皇位の安定継承を静かな環境で検討する狙いがある。

政府は、今の継承順位に手を付けようとすれば、
保守派を刺激するだけで建設的な議論が
期待できないとみている。


政府の言い訳垂れ流し?
そもそも静かな環境ってどういう意味?
静かだろうがうるさかろうが、それに踊らされず
粛々と議論し検討を重ねればいいだけの話だ。


建設的な議論が期待できないっていうのも意味不明。
保守派を刺激?
だから何だというのだ。
最初から議論を放棄するんじゃないよ。


もしこれが本当なら、安倍政権のヘタレっぷり
ここに極まれり、だ。
今の皇位継承順位を変更するなんて言い出したら、
男系原理主義者が何を言い出すかわからない、
自分の支持層が一気に離れてしまうかもしれない、
それだけはイヤだ!!!
ということなのか。
そうだとしたら、安倍首相は本当に、皇室のことなど
どうでもよくて、保身にしか関心がないのだろう。

とりあえず読売新聞をつかまえて、男系原理主義者に
一定の理解を示すというフェイントをかましつつ、
皇位継承問題の本質に切り込んでいってくれることを
期待したい。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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